一般社団法人ビブリオスタイル 2023年度事業報告書

2023年度(第6期 2023年4月1日〜2024年3月31日)事業報告

プロダクト開発

今期おこなった事業の報告を行う。まず当法人の設立目的でもあるプロダクト開発について報告しよう。図6は過去4期分の主要プロダクトのPR数を示している。

図6:過去4期分の主要プロダクトPR数

主要プロダクトの中でも枢要を占めるVivliostyle.jsとVivliostyle CLIのPR数は、前期に比べて減少している。Vivliostyle Pubも同様に前期を下回った。その一方で、VFMとThemesは前期を上回ったが、絶対数が少ないため、全体としては残念ながら前期と比べて低調だったと言えるだろう。

ハンズオンセミナーの開催

これまで一般に開発成果をアピールするためのイベントとして、「Vivliostyle ユーザーと開発者の集い」を春と秋の年2回開催してきた。しかし、発表準備のための負担が過大である一方、参加者や動画視聴者が少なく効果的な広報活動にはなっていないという課題があった。そこで、今期は「Vivliostyle ユーザーと開発者の集い 2023春」の開催を最後に、そのあり方を見直すことにした。

そこで考え出されたのが、印刷会社と連携したハンズオン・イベントである。これは、公募したユーザーに対して、実際にVivliostyleを使ってもらいながら操作方法を学んでもらい、最終成果として作成したPDFを印刷会社にオンデマンド印刷していただき、ユーザーにプレゼントしようというものだ。印刷会社には自社技術のアピールする機会となり、ユーザーにはVivliostyleの使い方を学ぶ機会となるはずだ。

そうして編集制作事業でお付き合いのあった欧文印刷株式会社の協力を仰いで開催したのが、「第1回Vivliostyleハンズオンセミナー 講師に教わりながら、Vivliostyleで本を作る!」だった。しかし、結果としては参加したユーザーのレベルがまちまちで、初心者には敷居が高い一方で、上級者には物足りない内容となり、ハンズオンセミナーの難しさを痛感することとなった。今後は、参加者のレベルを適切に絞り込む方法が課題となるだろう。

gihyo.jpでの連載

そのハンズオンセミナーの思わぬ成果として始まったのが、gihyo.jpでの連載である。ハンズオンセミナーの終了後の懇親会で、技術評論社の編集者が提案してくれたのがきっかけとなって検討が始まった。特定の人間が執筆するのではなく、広くコミッターの皆さんに書きたいテーマを持ち寄ってもらおうという趣旨である。本稿執筆時点で以下の記事が掲載されている。

掲載されるのはgihyo.jpのサイトであるが、VivliostyleのGitHubリポジトリ内に記事制作のためのプライベートリポジトリを用意することとなった。また、原稿のプルリクエストでは、当法人がレビュアーとして関わらせていただいている。

理事