まえがき

この本を手にとっている方は CSS 組版についてご存知かと思いますが(はじめてのひとはぜひ Vivliostyle 公式サイトまで!)、Vivliostyle は数あるライブラリの中でもオープンソースのプロジェクトとして開発されている稀有な CSS 組版用ライブラリです。 私が同人誌を作り始めた頃は、同じく Vivliostyle で作られた「CSS シークレットLea Verou, 牧野 聡. “CSSシークレット ― 47のテクニックでCSSを自在に操る”. オライリージャパン. (ISBN: 978-4873117669)」という本とにらめっこしながらレイアウトを作り始めましたが、ここ数年では特に Web フロントエンドに携わるユーザーによって、CSS 組版で作られた本を多く見かけるようになってきました。 本書にも書かれている通り、技術同人誌だけでなく卒業論文から複合機の製品マニュアルまで、その活用例は確実に広がっていることを実感しています。

縁があり昨年はじめから、私は Vivliostyle の「中の人」となり、今後の CSS 組版と Vivliostyle について考えることがますます多くなりました。そして今回、おこがましくもユーザーとコラボレータ両方の立場として「Vivliostyle ユーザー会」という形で合同誌の企画を立ち上げることを決めました。本書の内容が、CSS 組版ならびに Vivliostyle について、もっと深く知れるきっかけになることを願っています。

そこのあなた! 次の本は Vivliostyle で作ってみませんか?

合同誌発行に寄せて

Vivliostyle が技術同人誌の組版に使われるようになってきたのは嬉しいことです。Vivliostyle をもっと発展させたい、そのためにはみんなに使ってもらえてフィードバックがあること、開発への協力が集まることが必要なので。

ブラウザで動く、だれでも使える CSS 組版ソフトウェアを目指す Vivliostyle の構想はもう 5 年くらい前からですが、幸いにもいろいろな人々の協力によって開発が進められて、これまでの Vivliostyle ができています。 そして昨年、それまで Vivliostyle を開発してきた会社からオープンソースの Vivliostyle プロジェクトは独立して、非営利の団体として Vivliostyle Foundation(一般社団法人ビブリオスタイル)を設立し、再スタートしました(詳しくは vivliostyle.orgサイトに)。 とは言うものの、その本格的な活動はまだこれからです。Vivliostyle のユーザーと開発者のコミュニティを盛り上げたい。この合同誌が、そのきっかけになればいいなと思っています。企画・編集・CSS 組版してくれた緑豆はるさめさんに感謝です!

そして、ほかの寄稿者のみなさま、Vivliostyle ユーザーのみなさま、これから使ってみたいみなさま、ぜひお付き合いお願いします。

― Vivliostyle Foundation 代表 村上真雄 @MurakamiShinyu

免責

本書の内容に関して、正確性は保証できません。本書に書かれた情報を利用することで生じた結果に対して、著者はいかなる責任も負いません。 それはそうとして、もしこの本を読んで気づいたことや感想などがありましたら、編集者 Twitter アカウント @spring_raining や harusamex.com@gmail.com、各寄稿者へぜひご連絡下さい。きっと喜んで答えてくれることと思います。

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